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生と死の境界線

2024/07/17

セルワールディング 馬場 千恵子

こんにちは、セルワールディングの馬場です。

物騒なタイトルですが、今回は植物についての考察です。
私は2018年6月から、それまで全く興味のなかった植物を育て始めました。
植物の生態についてもそこから色々知って行ったのですが、その中で大きな疑問にぶつかりました。

 

植物ってどの状態が「死」なの?

 

あくまでも私見ですが、
動物なら心臓や脳の機能が停止し、身体の維持ができない状態=死、と考えます。
しかし植物は心臓も脳もないので、いつ死んだのか私には判断できません。

 

例えば、私は「塊根植物(コーデックス)」というマダガスカルや北米・南米・アフリカなどに生息する多肉植物をいくつか育てています。1年の中で成長期と休眠期に分かれており、苦手な気温の時期には葉を落とし無駄な体力を消費しないために機能を休止させます(動物の冬眠に近いもの)。でもそれは一時的なものであり「死」ではありません。時期がくればまた葉を出し花を咲かせ成長します。休眠期は見た目枯れてそうですが、死んではいません。

 

また、うちのある植物が一部の枝を残して枯れてしまいました。残った枝を土に植えて育てたところ(いわゆる挿し木ですね)、4年ほど経つ今も元気に育っています。これは元の株(A)が死んだから新しい個体(B)ということ?それとも、一部が生き続けているからAのままなのか?

 

一方で、鉢植え以外の植物はどうでしょうか。
数ヶ月前に横浜で素敵なお花屋さんを見つけたので、そこで時々切り花を買っています。切り花って生きてるの?死んでるの?!
中にはドライフラワーにしたものもあります。葉や茎が緑の状態から徐々に枯れた色になっていきましたが、どの状態が「死」だったのでしょう?(切り花が死んでいるのなら最初から死んでいる?)
冷蔵庫の野菜はどうなんでしょうか?根のない野菜は死んでいるのでしょうか?でも、冷蔵庫内でも少しずつ成長するし、ジャガイモや玉ねぎからは芽も出ます。

 

などなど、ずーっと気になっていたのですが、植物の死について明確な答えが見つかっておらず、この三連休中に少し調べてみました。
ちょうど良さそうな本があったので、読んでみました。

 

『植物に死はあるのか』稲垣栄洋 (著)

因みに、本のまわりにある植物は、うちの塊根植物(コーデックス)たちの一部です。

 

植物学者であり大学教授の著者が、植物とは何なのかを紐解いてくれます。
ただし!色々な「へぇ〜」があったものの、肝心な植物の死についての定義づけは益々難しくなってしまいました!!!クローンやラメットとジュネット、キメラなどの話から、もはや今の私には答えを出せません…。なので、これからも引き続き考えます。

ただ、こんなことが書いてありました。

 

木は生きながらに死んでいる

 

どういうこと?と思いますよね。
立っている樹木の中心部分は死んでおり、死んで固くなった細胞が木を支えているとのこと。
外皮に近い外側の柔らかい細胞のみ生きており、そこが細胞分裂を続けながら幹を太らせていく。そして内側は死んでいく。のだそうです。へぇ〜!

 

ここでは説明しきれないですが、面白い本なので、興味がある方は読んでみてください!

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