タイトルにあるのは、コピーライター岡本欣也さんの中吊広告のキャッチコピー。
本日は“愛”というどこか使いなれない恥ずかしいような言葉からはじまります。
帰省した時は仏壇に線香をあげ、墓参りも人並み以上に意図してたつもりでも、祖父祖母との楽しい日々を思い出さなくなったのは、歳月が経ってしまったのか、自分にも子どもが生まれて過去よりも未来への想いがつよくなったせいでしょうか。
私の実家は階段が結構急です。2階の階段の脇には、私が幼いころ階段から落ちないようにと、祖父が木製の柵を取付けてくれていました。とはいえ使っていたのは私が幼稚園にあがるまでくらいでしょう。その後はずっと閉じられていた柵。一度親戚の小さい子が来たときにつかった記憶があるくらいです。
あれは息子が2歳の夏。これ便利だなぁなんて、なにごともないようにその柵を広げて使ったんです。
海からあがって2階の廊下で息子と遊びながら、むこうがわにある柵を見たときに、ものの2秒くらいの内に感情が溢れでてきて、
─ じいさんは当時どんな気持ちで柵をつけたんだ
─ 親父は俺が同じくらいの頃どう過ごしていたんだろう
単なる柵という物がトリガーとなって、言葉にできるものもできないものまで、色々となだれこんできたのです。亡くなって30年以上たち、今では祖父の顔も鮮明に思え出せなくなってしまっているのに、ちゃんと守ってくれてるんだなぁと目頭が熱くなりました。
愛って時空をこえるんですね。すごいな。
MOVIE MEMORY
映画のブログつづきということで、書きながら思い出したマイムービーをミニコラム的にお届け。
「アバウト・タイム」(2013年公開)
愛とタイムリープ。そこから思い出す映画といえば「アバウト・タイム」です。
ラブストーリーは基本的には観ないのですが、主人公がタンスにこもって力むとタイムリープできる(どういうことだ笑)特殊能力の持ち主という設定とコメディ要素もあって面白そうだなと観た映画。最後の砂浜でのシーンではすげぇ泣いていました。
過去や事象を変えることでおこる影響という部分では「バタフライ・エフェクト」も思い出されますが、そちらは余韻が残る感じの終わり方だったりするので。(バタフライ・エフェクトはエンディングのOASIS “Stop crying your heart outの入り方がしびれる)
本作では、さえない主人公が最初は過去を思い通りに変えてウハウハだが、だんだんとごちゃごちゃして絡まっていってしまう。過去を変えるよりも、いま目の前のさきをどうするかが大事じゃないかと気づいた主人公がどうなっていくのか…。いい映画ですよ。