プロジェクトメンバーの一員として関わり、ロゴ開発を担当。
様々な「G」を集約し、
そこから見えてくるフォルムをあぶり出して出来上がった、
プロジェクトのストーリーを伝えるロゴ。
G Innovation Hub YOKOHAMA
01 きっかけ
それぞれの道のプロフェッショナルが集結し、
プロジェクトがスタート
G Innovation Hub YOKOHAMAは、横浜に本社をおく不動産会社リストグループが自社所有ビルの大空間をシェアオフィスとしてリノベーションし、関内エリアのイノベーション拠点として整備した場所です。今回、プロジェクトに当初から関わり、現在は運営のご担当もされている、リストグループの櫻井さんにお話を伺いました。
株式会社plan-A代表の相澤さんがこのプロジェクトの総合プロデュースの指揮をとっており、かねてから様々なお仕事を担当させていただいたご縁から、セルディビジョンをプロジェクトメンバーの一員として招いていただきました。他にも建築設計・施工・運営アドバイザーなどそれぞれの道のプロフェッショナルが集結し、Gプロジェクトがスタートしました。
02 課題と役割
課題からネーミングを考える
街としての課題があり、どう自分たちが変えていけるか、東京に近く地方ではない横浜らしさを意識した場づくりが求められました。当初はシェアオフィスを運営することだけが決まっており、「そもそも横浜とは、関内とはどんな場所なのか」というブレストから始まりました。ネーミングは3チームに分かれてそれぞれ考案し発表。関内=関所の内側、一つの起点となる場所の門を示すという意味で「GATE」が採用され、その頭文字「G」が決定しました。さらに多様性の集合体を表現するためにGlobal・Gather・Growup等、「G」にも色んな意味を持たせました。こうして名称が決定し、それぞれが分担された役割を持ち帰ってまた集まることを繰り返し、だんだんと場所ができていきます。
03 進行中
ロゴそのものがプロジェクトの
ストーリーを伝えるアイコンに
セルディビジョンはロゴマークを担当し、そのプロジェクトの過程そのものを体現する「G」の意味をロゴに持たせることを意識しました。施工のフェーズごとに足を運び空間づくりを擬似的に共有できていたのでその感覚は密に感じられており、その中で、空間の雰囲気とこの場所が目指すコンセプト、この両方をどうデザインに落とし込んでいくかを考えました。そして、様々な場所・文化・歴史の中で生まれた「G」を集約し、そこから見えてくるフォルムをあぶり出し、ひとつのロゴが出来上がりました。ロゴそのものがプロジェクトのストーリーを伝えるアイコンとなり、入口のサインにも書体が重なった表現のロゴを利用していただきました。また、関内の碁盤の目状の街並みをイメージした施設の床には、街区の区切りをナンバリングしており、そこにはロゴ制作の過程で使用した書体を使っています。
名刺では普段は通常の印刷では使わないような梱包用の紙を使い、ステッカーでは冷凍食品用の耐水系の用紙を使うなど、実用性が高い素材を選択しコストダウンを図ると同時にGのコンセプトにも通ずる提案をしました。工業的な素材を使いインダストリアル感や元からあるものを活用して作るリノベーション感など、場の雰囲気を感じられるGらしいツールが出来上がりました。
04 結果
オープンから半年、
想像以上の反響
オープンから約半年が経ち、当初1年をかけて目標席数(満席の80〜90%)を埋める予定が、6ヶ月で60%以上が契約と、想定よりも早く達成できそうだと言うことです。シェアオフィスの需要だけでいうとまだまだ知名度の低いGが、ここまでの入居率を達成していることにかなりの驚きを感じていらっしゃいました。
プレスリリースとオープニングパーティの日が同日で、取材も全てこの日に受けた結果、300人近くの人が集まったそうです。その際の記事掲載数はネットメディアの記事39・新聞誌面12と注目度の高さがうかがえます。これによりSEOが自然と高まり、感度の高い人が自然とGを見つけてくれ、それが口コミに繋がったのでは、と予想されています。広告費は予算枠をとっていたのにかかわらずなんと0円!広告をせずに問い合わせがある状態が続いています。
業種関係なくいろんな人が入居しているのも、ロゴの意味する「集合体」がお客さんにちゃんと伝わっているからでは、と櫻井さん。「セルディビジョンさんが自分たちの想いの言語化をしてくれたことで、伝えやすくなりました」とのお言葉もいただきました。
05 これから
今後の構想や、展開にもつながる
アップデート
運営を通して、「横浜ならではの働き方とは?」と漠然と話していたのが、約半年経ち抜群に解析度が上がったことで、横浜の特性が見えてきたり都市のリアルな現状が入居者を通じてわかってきたと言います。シェアオフィス運営が最終的なプロジェクトの目的でなく、このエリアと経済をどうするか?という課題に対して次なる展開が見えてきました。
次の構想にも至るような話も出ており、まさに日々アップデートしている感覚があります。今後はGのロゴを使ったグッズ展開でオフィスの提案だけでなく、暮らし方の提案もしていきたいそうです。
これから、セルディビジョンも様々な形で関わっていけたらと考案中です。
(写真:G Innovation Hub YOKOHAMAにて、リストグループ櫻井さんとセルディビジョンのブランディング担当辻・鄭)